日本航空機製造のYS-11 試作1号機

航空科学博物館の目玉の一つに、屋外展示場にあるYS-11があります。
日本航空機製造の試作1号機”JA8611″です。
私が生まれる前、1962年に初飛行した日本初の国産旅客機です。
YSはYS-11の生みの親となった「輸送機設計研究協会」の”輸送機(Y)”と”設計(S)”の頭文字で、11は搭載されたエンジンの番号が搭載を検討された中で1番目が採用されたこと、機体仕様案も1番目が採用されたことに由来します。
航空博物館のYS-11は誰でも無料で中に入ることができます。
L1ドアにタラップというか階段が付けられていて、そこから中に入ります。
そのタラップの最上段より機体を撮影。
YS-11のエンジンには大きな4枚羽根のプロペラが付けられていますが、ターボプロップ方式のジェットエンジンです。
(だから”PROP-JET”って書かれているんですね)
YS-11 1
このYS-11の操縦席には残念ながら入ることができません。
操縦席のドアがあったところには透明なアクリル板で仕切られていて、その仕切り越しの撮影になります。
機能のジャンボのコックピットとは全然違い、スイッチ類がかなり少ないです。
操縦席前の基本的な計器はかなり似ていますが、HSIやADIといった統合計器はまだつけられていません。
YS-11 2
YS-11の胴体内部。
客席は設けられておらず、試験装置の名残やバラスト用水タンクが設置されているのみです。
茶筒のような円筒形の胴体の形が良くわかります。
コックピットの入り口から最後尾まですぐの距離に見通せます。
座席を設置した場合64席が2×2の2列で並ぶことになります。
64席というと、ジャンボの-400の2階席よりも席数が少ないんですよね・・・・
YS-11 3
YS-11の顔を機首の斜め下から見上げてみたところ。
YS-11 4
YS-11の垂直尾翼。
日本航空機製造のロゴが描かれています。
そして試作1号機であることを示す、力強い「1」が。
YS-11 5
現在の航空博物館の目玉展示は昨日まで掲載したBoeing747 Section41ですが、
屋外展示場に鎮座している日本発の旅客機「YS-11」も非常に貴重な存在です。
お出かけの際は是非、外部・内部をじっくりと見学してみてください。
周囲にロープは貼られていませんので、ギア格納ボックスに頭を突っ込むこともできます!!
航空博物館での写真は今日でおしまいです。
明日からはこの航空博物館のあとに行った、”さくらの山”から撮影した写真を掲載したいと思います。
普段なかなか見ることができない「おーっ!」という写真がいくつか撮影できました!!
さて、非常に動きの遅い台風12号が日本に向かって北上しています。
明日から週末にかけて日本列島を横断しそうですね。
皆様、お気をつけてお過ごしください!

Boeing747のコックピットへ

2日間にわたって掲載してきた航空科学博物館で公開展示中のBoeing747 Section41。
本日は最終回、「コックピットへ」です。
らせん階段を上ると、すぐそこにBoeing747のコックピットが視界に飛び込んできました。
コックピットと客席を隔てる隔壁とコックピットドアは取り除かれていました。
初期型のいわゆるクラシックジャンボはスリーマン・クルーで飛ばしていました。
左右のパイロット席のほか、右席後方にはFE(フライト・エンジニア)用の席があります。
また、右席後方にはオブザーバーシートが縦に2席設置されています。
B747 コックピット全景
よく見るコックピットの写真はこんな感じですよね。
コックピットの入り口を入って正面に操縦席をとらえます。
左側に機長用計器盤、右側にコー・パイロット用計器盤、中央にはエンジン関係の計器盤があります。
計器盤の上のグレアシールド前面には各種のスイッチやダイヤルが並んでいます。
左右座席の間にはスラストレバーやスピードブレーキ・フラップなどを操作するレバーがあり、中央計器盤とスラストレバーの間には無線やINSの操作パネルがあります。
また、スラストレバーなどの手前のセンターペデスタルにも無線機やINSの操作パネルがあります。また頭上中央にはオーバーヘッドパネルがあり、エンジンや各種ライトの操作、アンチアイスの操作ができるようになっています。
B747 コックピット正面
オーバーヘッドパネルには、各種ライトのスイッチやエンジン火災の消火レバー、エンジン関係のスイッチやヨー・ダンパー(ダッチロール防止装置)の操作スイッチ、フライトコントロールの油圧システムのスイッチ、エンジンのイグニッションスイッチ、アンチ・アイスのスイッチやコックピットの窓のワイパーのスイッチなどがが並んでいます。
オーバーヘッドパネル
センターペデスタルには中央部にINSの操作パネルがあります。ジャンボには3台のINSが搭載されていて、それぞれ別のメーカーが製造しています。
INS操作パネルの前方には自動操縦中に機体を上昇させたり旋回させたりするためのノブがあります。
INS操作パネルの左右は無線機の操作パネルが配置されていて、周波数を表示する小窓と周波数を変えるためのノブが見えます。
ボタンの頭に矢印が書いてあるノブがたくさん並んでいるますが、これは各チャネルのボリューム調整ノブです。
キャビンのインターフォンやVOR・ADFといった無線標識のIDやATCの複数のチャネルを同時に聴くことができます。
センターペデスタル
左席と右席の間には何本ものレバーが並んでいます。最も大きくて目立つのが4本のスラストレバーです。もちろん、スラストレバーとはエンジンの出力を調整するレバーです。
その直ぐ左側にはスポイラー(スピードブレーキ)のレバーがあります。このレバーを手前に引くと主翼上のスポイラーが立ち上がります。
そのさらに外側(左側)にはトリムの操作レバーがあります。
トリムの操作レバーの手前にあるグレーのレバーはパーキングブレーキのレバーです。
スラストレバーの手前にあるのはエンジンに燃料を送り込んだり止めたりするレバーです。このレバーを一番手前に引くと、エンジンへの燃料供給がカットされ、エンジンは停止します。
スラストレバー
さて、いよいよ左席(通常はキャプテンが座るシート)に向かいます。
コックピットは結構狭く、頭をかがめるようにして慎重に前に進みます。
左席へ
左の座席は左側に寄せられていましたが、それでもセンターペデスタルとの間は非常に狭いです。
頭をぶつけないように、脚をひっかけないようにゆっくりと前に進みます。
この時点で心臓はバクバク、ドキドキでした!!
スラストレバーとセンターペデスタル
そして、とうとう左側の座席に着席!!
前面のパネルと操縦桿(コントロールホイール)を撮影してみました!!
スゴイ経験です!!
キャプテンシート
左席から右席側を見てみます。
右席の前にも左席と同じ計器が並んでいます。
パイロットが操縦するにあたって必要かつ重要な計器がT字型に配置されています。
右席を見る
そして、オーバーヘッドパネルを見てみます。
結構低い位置にあり、本当にすべてのスイッチに手が届きます。
ヨー・ダンパー(ダッチロール防止装置)と書かれた部分、アンチ・スキッド(外すべり防止装置)と書かれた部分、ボディ・ギア・ステアリング、オート・ブレーキ、ストール・ウォーニング(失速警報装置)など多くのスイッチが並んでいます。
写真の下側、オーバーヘッドパネルの最前列には各種ライトのスイッチ類が横に並んでいます。
オーバーヘッドパネルを見る
左席前のパネルとセンターパネルです。
パイロット前のパネルですが、一番左側上には速度計があり、その下にはRMI(無線方位指示計)があります。
真ん中上はADI(姿勢指示およびフライトディレクター指示計)で、その下にHSI(方位指示計)が配置されています。
ADIの右横は高度計で、その右にあるのが電波高度計です。
電波高度計の下には機長席にのみある計器でメートル表示の高度計があります。
中国やロシアのATCでは高度が”メートル”で指示されることがあったために付けられたそうです。
センターパネルにはエンジン関係の計器がありますが、デジタル表示となっていたため、黒いディスプレイがあるだけです。
その右横にはギアを上げたり下げたりするレバーがあります。
レバーの先端は車輪の形をしています。
レバーの上に3つ三角に並んだライト(消えています)はギアの状態を示すライトです。
「ギア・スリー・グリーン」という言葉をATCで聞くことがありますが、これはこの3つのライトが緑色に点灯し、ギアが全てきちんと降ろされてロックされたことを示すものです。
左席パネルとセンターパネル
さて、もっともっと左席に座っていたかったのですが、時間に限りがあります。
左席を離れて、右席後方のFE(フライト・エンジニア:航空機関士)のパネルを見てみます。
FEパネル
飛行機にとって最も重要な燃料関係の計器・スイッチがFEパネルの真ん中下部にあります。
ジャンボには左右の主翼内部に左右それぞれ2つのメインタンクと1つのリザーブタンクがあり、主翼の間の胴体下部にも中央翼タンクがあります。
その各タンクの燃料の量を確認し、エンジンへの燃料供給をコントロールしたり、タンク間の燃料の量の調整などを行います。
燃料関係計器
FEパネル中央左側には電気系統を制御する装置が並んでいます。
飛行中の電気はエンジンから供給されるため、縦に4列のスイッチ・計器が並んでいますね。
電気関係計器
燃料関係のパネルの上には機内の与圧を調整したりする装置とその右には油圧(ハイドロプレッシャー)関係の装置があります。
ここで与圧をきちんとコントロールされて、機内は地上の80%の気圧(空気の量)に保たれているのです。
与圧およびハイドロ関係計器
燃料関係の装置の横にはエンジン関係の計器が並んでいます。
4つのエンジンの計器が縦に4つ並んでいます。
油量や油温などもここで監視しています。
エンジン関係計器
FEパネルの左側、電気系統の制御装置の上にはAPU関係のスイッチが並びます。
APU関係
FEパネル中央上部は機内の空調関係の装置が並んでいます。
機内の空調はやはりエンジンから取り出したエアで行っています。
エンジンから取り出した空気はそのままでは非常に高温ですので、冷やしてから機内を循環させます。
約3分から4分で機内の空気は入れ替えられています。
空調関係
今日もまた大量の写真かつ文章が多くなってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
まだまだ、書きたいことはあるのですが、もし不明点などがありましたらお気軽にメールフォームやコメントなどでお問い合わせください。
もしくはGoogleでググってください^^;
また、私のつたない知識で記載していますので、誤りがあるかもしれませんが、それはすべて私の責任です。素人の知識ということでご容赦願います。
というわけで、Boeing747 Section41特集は以上です。
3日間にわたっておつきあいいただき、ありがとうございました!
また、行きたいです!!

Boeing747 Section41 Part2.

さて、昨日から掲載している航空科学博物館のBoeing747 Section41。
今日は機内に入ってみます。
機内へは飛行機のドアを通って入るのではなく、Section41の断面部分に設けられたドアから入ります。
いつまでも綺麗な状態で保存するために、入る前に用意されたスリッパに履き替えます。
で、中に入るとすぐ目の前に初期のジャンボの特徴でもある2階席へのらせん階段があります。
そしてその先、客室部分は右側半分がいつも私たちが飛行機に乗った時に目にする光景がありました。
そこにはビジネスクラスのシートが配置されていました。
そして、左側半分はシートは取り払われ、内壁も剥がされた状態で壁の内側を見ることができました。
Boeing747の胴体はセミモノコック構造となっています。
セミモノコック構造では外板とフレーム、ストリンガー(縦通材)で構成されていて、写真ではその構造が良く分かります。
15-25cm程の間隔で横方向(機体の前後方向)にストリンガ-が、50-55cmほど間隔で縦方向(機体の円周方向)にフレームが格子状になって外板を内側から支えています。
約1万メートルもの上空を飛ぶジャンボの機内は地上の約80%ほどの気圧に与圧されています。
約1万メートルの気圧は地上の約30%ほどの気圧ですから、その差50%分の力が機内からこの胴体に働きます。
それってどれくらいの力か? 1平方ミリメートル当たり10kgから12kgほどになります。
1平方メートルだと・・・だいたい10t位の力がこの胴体内側にかかることになります。
この密度でフレームとストリンガーが外板を支えている理由が分かりますよね。
B747 機内 1
外板の内側(客室側)にはさらにこのように断熱材が貼られています。
1万メートルの上空は超極寒の世界。
エンジンから取り入れた空気・熱で機内は快適に保たれていますが、たった1枚の壁とこの断熱材で隔たれた外部は人が生きていけない世界なんですよね。
B747 機内 2
窓の上部にはその機内を快適に保つ空気を循環させるエアコンのダクトが設置されています。
B747 機内 3
ジャンボの窓は二重構造になっています。(厳密にいうと3重構造)
1番外側の窓はそれだけで機内の圧力に耐えられるようになっています。
2番目の窓には窓の下側に小さな穴が開いていて外側の窓と内側の窓の間の空間の空気が膨張した時の圧力を逃がすようになっています。
3番目の窓は普段我々が触れることができますが、これは1番目・2番目の機体構造の1部を構成している窓を保護するための窓で、薄いプラスチックでできています。
また、写真にある通り、飛行機の客席の内壁の中にはこのように電線が束ねられて通っている箇所があります。
機体全体に神経が張り巡らされている感じでしょうか。
B747 機内 4
飛行機の座席に座ってその上を仰ぎ見ると、読書灯やフレッシュエアの吹き出し口があります。
そしてもう一つ重要なのが非常用の酸素マスクです。
機内の圧力が下がるとパカッと天井の一部が開き、そこから黄色の酸素マスクが降りてきます。
その内側を覗いてみました。
写真の右側から”酸素マスク”・”フレッシュエア吹き出し口”・”読書灯”となっていて、3つづつ配置されています。
B747 機内 5
1階客室の最前部の天井です。
この天井の上にはコックピットがあります。
コックピットから様々なワイヤーが伸びているのが分かりますよね。
Airbus A320以降の飛行機、Boeingでは777以降の飛行機にはフライ・バイ・ワイヤーという方式が採用され、パイロットの操作は電気信号に変換されて電線(ワイヤー)を通って補助翼や方向舵・昇降舵を動かしていますが、このジャンボはパイロットが操縦桿やラダーペダルを操作した力は、ケーブルやロッドによる機械的リンクを通して方向舵・昇降舵・補助翼を動作させる油圧アクチュエータに伝えられていました。
B747 機内 6
飛行機のドアの内張りをはがしてみるとこのようになっています。
ちなみに、普段飛行機に乗ったときに見るドアの内側下部には大きなふくらみがありますが、あそこにはスライドラフトが格納されています。
緊急時に機内から脱出するための滑り台になり、海上では救命ボートにもなるものです。
今回はそれは取り除かれ、構造材としてのドアが見えました。
B747 機内 7
ドアを開閉する大きな銀色のハンドル。
そしてその上には黄色のセレクターレバーがあります。
飛行機に乗った時、ドアが閉められた後に「Doors for departure」とか「客室乗務員はセレクターレバーをAutomaticに」といったアナウンスが聞かれるかと思いますが、その時にCAさんはこの黄色のレバーを操作しています。
このレバーをAutomaticにすると、ドアを開けたときに前述のスライドラフトが自動的に膨らむようになります。
なので、離陸前にはAutomaticの状態にして、緊急時にはドアを開けた瞬間に非常脱出ができるようにする必要があるのです。
逆に、着陸後ドアを開ける前には必ず「手動」にしなければなりません。
実際、「手動」にし忘れてドアを開け、スライドラフトがいきなり膨らんで地上スタッフがけがをしたという事故も海外で数例あったようです。。。
B747 機内 8
正面からドアを見てみました。
昨日掲載した外側から見たドアの反対側ですね!
B747 機内 9
らせん階段を上って2階席へ移動。
コックピットに入ってすぐ右側に非常脱出口がありました。
ココは2階席、地上3階の高さがあります。
ココから降りるのは相当な勇気が必要ですよね。。。。
ということで、このドアから伸びる滑り台は円筒形になっているそうです。
(外が見えないように)
B747 機内 10
そして最後は昨日掲載したコックピットの天井部分にある小さな四角の非常脱出口を内側から見たものです。
ジャンボのおでこの部分のこのハッチを開けて、いったいどうやって地上に降りるのか?!
写真右側に黄色のレバーのようなものが5つありますが、それはワイヤーの取っ手なんです。
この黄色の取っ手を握ってこのハッチから飛び降りると、ワイヤーがするするっと伸びて人が地上に着く寸前に伸びきって止まるという仕掛けになっています。
B747 機内 11
というわけで文章が多くなってしまいましたが、ジャンボの機内の普段目にすることのない部分を掲載しました。
明日はいよいよコックピット編です!!

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