Boeing747のコックピットへ
2日間にわたって掲載してきた航空科学博物館で公開展示中のBoeing747 Section41。
本日は最終回、「コックピットへ」です。
らせん階段を上ると、すぐそこにBoeing747のコックピットが視界に飛び込んできました。
コックピットと客席を隔てる隔壁とコックピットドアは取り除かれていました。
初期型のいわゆるクラシックジャンボはスリーマン・クルーで飛ばしていました。
左右のパイロット席のほか、右席後方にはFE(フライト・エンジニア)用の席があります。
また、右席後方にはオブザーバーシートが縦に2席設置されています。
よく見るコックピットの写真はこんな感じですよね。
コックピットの入り口を入って正面に操縦席をとらえます。
左側に機長用計器盤、右側にコー・パイロット用計器盤、中央にはエンジン関係の計器盤があります。
計器盤の上のグレアシールド前面には各種のスイッチやダイヤルが並んでいます。
左右座席の間にはスラストレバーやスピードブレーキ・フラップなどを操作するレバーがあり、中央計器盤とスラストレバーの間には無線やINSの操作パネルがあります。
また、スラストレバーなどの手前のセンターペデスタルにも無線機やINSの操作パネルがあります。また頭上中央にはオーバーヘッドパネルがあり、エンジンや各種ライトの操作、アンチアイスの操作ができるようになっています。
オーバーヘッドパネルには、各種ライトのスイッチやエンジン火災の消火レバー、エンジン関係のスイッチやヨー・ダンパー(ダッチロール防止装置)の操作スイッチ、フライトコントロールの油圧システムのスイッチ、エンジンのイグニッションスイッチ、アンチ・アイスのスイッチやコックピットの窓のワイパーのスイッチなどがが並んでいます。
センターペデスタルには中央部にINSの操作パネルがあります。ジャンボには3台のINSが搭載されていて、それぞれ別のメーカーが製造しています。
INS操作パネルの前方には自動操縦中に機体を上昇させたり旋回させたりするためのノブがあります。
INS操作パネルの左右は無線機の操作パネルが配置されていて、周波数を表示する小窓と周波数を変えるためのノブが見えます。
ボタンの頭に矢印が書いてあるノブがたくさん並んでいるますが、これは各チャネルのボリューム調整ノブです。
キャビンのインターフォンやVOR・ADFといった無線標識のIDやATCの複数のチャネルを同時に聴くことができます。
左席と右席の間には何本ものレバーが並んでいます。最も大きくて目立つのが4本のスラストレバーです。もちろん、スラストレバーとはエンジンの出力を調整するレバーです。
その直ぐ左側にはスポイラー(スピードブレーキ)のレバーがあります。このレバーを手前に引くと主翼上のスポイラーが立ち上がります。
そのさらに外側(左側)にはトリムの操作レバーがあります。
トリムの操作レバーの手前にあるグレーのレバーはパーキングブレーキのレバーです。
スラストレバーの手前にあるのはエンジンに燃料を送り込んだり止めたりするレバーです。このレバーを一番手前に引くと、エンジンへの燃料供給がカットされ、エンジンは停止します。
さて、いよいよ左席(通常はキャプテンが座るシート)に向かいます。
コックピットは結構狭く、頭をかがめるようにして慎重に前に進みます。
左の座席は左側に寄せられていましたが、それでもセンターペデスタルとの間は非常に狭いです。
頭をぶつけないように、脚をひっかけないようにゆっくりと前に進みます。
この時点で心臓はバクバク、ドキドキでした!!
そして、とうとう左側の座席に着席!!
前面のパネルと操縦桿(コントロールホイール)を撮影してみました!!
スゴイ経験です!!
左席から右席側を見てみます。
右席の前にも左席と同じ計器が並んでいます。
パイロットが操縦するにあたって必要かつ重要な計器がT字型に配置されています。
そして、オーバーヘッドパネルを見てみます。
結構低い位置にあり、本当にすべてのスイッチに手が届きます。
ヨー・ダンパー(ダッチロール防止装置)と書かれた部分、アンチ・スキッド(外すべり防止装置)と書かれた部分、ボディ・ギア・ステアリング、オート・ブレーキ、ストール・ウォーニング(失速警報装置)など多くのスイッチが並んでいます。
写真の下側、オーバーヘッドパネルの最前列には各種ライトのスイッチ類が横に並んでいます。
左席前のパネルとセンターパネルです。
パイロット前のパネルですが、一番左側上には速度計があり、その下にはRMI(無線方位指示計)があります。
真ん中上はADI(姿勢指示およびフライトディレクター指示計)で、その下にHSI(方位指示計)が配置されています。
ADIの右横は高度計で、その右にあるのが電波高度計です。
電波高度計の下には機長席にのみある計器でメートル表示の高度計があります。
中国やロシアのATCでは高度が”メートル”で指示されることがあったために付けられたそうです。
センターパネルにはエンジン関係の計器がありますが、デジタル表示となっていたため、黒いディスプレイがあるだけです。
その右横にはギアを上げたり下げたりするレバーがあります。
レバーの先端は車輪の形をしています。
レバーの上に3つ三角に並んだライト(消えています)はギアの状態を示すライトです。
「ギア・スリー・グリーン」という言葉をATCで聞くことがありますが、これはこの3つのライトが緑色に点灯し、ギアが全てきちんと降ろされてロックされたことを示すものです。
さて、もっともっと左席に座っていたかったのですが、時間に限りがあります。
左席を離れて、右席後方のFE(フライト・エンジニア:航空機関士)のパネルを見てみます。
飛行機にとって最も重要な燃料関係の計器・スイッチがFEパネルの真ん中下部にあります。
ジャンボには左右の主翼内部に左右それぞれ2つのメインタンクと1つのリザーブタンクがあり、主翼の間の胴体下部にも中央翼タンクがあります。
その各タンクの燃料の量を確認し、エンジンへの燃料供給をコントロールしたり、タンク間の燃料の量の調整などを行います。
FEパネル中央左側には電気系統を制御する装置が並んでいます。
飛行中の電気はエンジンから供給されるため、縦に4列のスイッチ・計器が並んでいますね。
燃料関係のパネルの上には機内の与圧を調整したりする装置とその右には油圧(ハイドロプレッシャー)関係の装置があります。
ここで与圧をきちんとコントロールされて、機内は地上の80%の気圧(空気の量)に保たれているのです。
燃料関係の装置の横にはエンジン関係の計器が並んでいます。
4つのエンジンの計器が縦に4つ並んでいます。
油量や油温などもここで監視しています。
FEパネルの左側、電気系統の制御装置の上にはAPU関係のスイッチが並びます。
FEパネル中央上部は機内の空調関係の装置が並んでいます。
機内の空調はやはりエンジンから取り出したエアで行っています。
エンジンから取り出した空気はそのままでは非常に高温ですので、冷やしてから機内を循環させます。
約3分から4分で機内の空気は入れ替えられています。
今日もまた大量の写真かつ文章が多くなってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
まだまだ、書きたいことはあるのですが、もし不明点などがありましたらお気軽にメールフォームやコメントなどでお問い合わせください。
もしくはGoogleでググってください^^;
また、私のつたない知識で記載していますので、誤りがあるかもしれませんが、それはすべて私の責任です。素人の知識ということでご容赦願います。
というわけで、Boeing747 Section41特集は以上です。
3日間にわたっておつきあいいただき、ありがとうございました!
また、行きたいです!!
おはようございます!
目が回りそうな計器とスイッチ・・・
この巨体を飛ばすって事はこれを全て理解しているんですよね。。。
外からしか見た事無いので絶対に一度は行かないといけませんね♪
子供を連れて行ったら喜ぶかな?家内はきっと興味ないので僕と長男と次男・・・子供が3人みたいになってしまいそうです。。。
おはようございます。
ちなみに私、某航空会社に搭乗した際に、キャプテンのご招待で747オブザーバーシートで某空港のランディングを経験したことがあります。まさにこの写真に写っている座席です。
9.11前の平和な時代でした。
あの時はコーフンしてて気づきませんでしたが、改めてこうして見ると、スイッチ多いですねー。
こんにちは!!!
この記事特集を見て昨日自分も行ってきました。
アッパーへ続くらせん階段が当時の飛行機は特別な
乗り物を物語っているようです。
自分も色々と写真とりましたが、案内の人が先日も熱心に写真とっていた方がいたなぁっと。
もしかして…(笑)
いやぁ、Section41、楽しませていただきました。
フライトエンジニアの仕事場、すごい計器類ですね。
スイッチパシパシしてみたいです。
高校時代、30年も前ですが。エアラインにこのジャンボの操縦方法が特集されていて、ダンボールになんとなく計器類をマジックで書いて、ジェットストリームのFMを聞きながら離陸して遊んでいました。その頃の友達は本当に-400を操縦することになりました、しかしJALだからなーその後ほとんど連絡はしていませんが、きっと当時あこがれだったシャアの気分で何かの機体をあやつっているのだと思います。思い出をありがとう。
☆パパさん、
とっても多くの計器やスイッチがありますよね。
パイロットは当然のことながらこれらすべての役割や機能を理解し、操作しているんですね。
すごいことだと思います。
お子さんたち、きっと喜ぶと思います。
あの大きなジャンボをかつては3人で、今ではたった2人で操縦しているなんて驚くでしょうね。
飛行機に興味がない方でも、喜ばれると思います。
実際、一緒に見学していた年配の女性の方は目をキラキラさせてインストラクターの説明に聞き入ってました!
☆じゅびりーさん、
私も某航空会社のジャンボのオブザーバーシートで2度ほどランディングを経験したことがあります。
一度目はクラシックジャンボでまさにこの写真のタイプで、
二度目は-400でした。
本当に平和な時代でしたよね。
あのころが非常に懐かしいです。
☆やまぴーさん、
たぶん、その熱心に写真を撮りまくっていたのは私かもしれませんね^^;
いろいろな方向から何度も何度も撮ってしまいましたから。。
あのらせん階段も懐かしいですよねー!
2階席がラウンジになっている写真を見て、いつか乗りたいと夢見ていたころを思い出します。
☆Flyingtak1さん、
ありがとうございます!
FEパネルの計器やスイッチの数、すごいですよね!
それが今ではFEという存在がなくなり、たった二人で
ジャンボを飛ばしています。
科学技術の進歩ってすごいですよね。
スイッチバシバシ・・・やってみたかったけど、恐れ多いようでできませんでした^^;
☆datchさん、
憧れのコックピットでしたよね。
このコックピットでたくさんの計器をチェックし、スイッチ類を操り、操縦桿を握って空を飛ぶ夢を追いかけたものです。(実現できませんでしたが)
お友達はその夢を実現されたのですね!
素晴らしいことだと思います。
ご覧いただき、さらにコメントをお寄せいただき、ありがとうございました!!
☆たかしさん、
説明員の方の説明も上の空でとにかく余すところなく撮影したい!という思いでシャッターを押し続けていました(笑)
コックピット見学ができた時代が懐かしいですね。
ハイジャックやテロが続き、セキュリティが厳しくなり、現在では飛行中はもとより、着陸後でさえコックピット見学ができなくなってしまいました。
残念なことです。
こんにちは。私はクラシックジャンボのコックピットを製作中です。もちろん現物の解体品を使用しております。正面計器パネル、センターペデスタルは100パーセント完成、オーバーヘッドコンソールは75パーセントほど仕上がっています。その他、ビーチ・バロン58と747-400フライトシミュレータを製作中(747-400はこれからというところ)です。
☆74さん、
”コックピットを製作中”?!
しかも現物の解体品を使って!!
すごいですね!
完成の暁には是非、拝見したいものです!!
フライトシミュレータも製作?!
驚くことばかりです。。。