Trent 1000 vs GEnx

月刊「エアライン」に「もっとエンジンの話をしよう」を好評連載中の外江 彩先生がとっても貴重で面白い飛行機のエンジンの話を聞かせてくれた”飛行機エンジンカフェ”が2月18日に開催されましたが、昨夜は21時からニコニコ生放送でそのフォローアップ放送が開催されました。2月18日の講演では時間の関係で説明が省略された部分や、より詳しい飛行機のエンジンの細部にわたるまでの解説ありで、21時から23時過ぎまでとっても盛り上がりました!!
実は昨日の午後、羽田空港の飛行機がよく見える場所にANAの787と今回JALのフライトトレーニングのために日本に来ているBoeing社の787(ZA005)が並んで駐機していることを知り、急遽羽田に行ってきたんです。
先日の飛行機エンジンカフェや昨夜のフォローアップが頭にあり、どうしてもTrent 1000とGEnxの違いをきちんと見てみたくて。。。。
ということで、本日は飛行機本体の写真はありません!全て”エンジン”です。
(飛行機本体の写真は明日・明後日の記事で)
早速Trent 1000とGEnxを比べてみましょう。
まずはロールス・ロイスのTrent 1000の正面から見た写真です。
Trent 1000 正面
次はGEのGEnxの正面から見た写真です。
GEnx 正面
違いは分かりましたか?
2つのエンジンの大きな違いは上の2枚の写真にはっきりと現れています。
外江先生の受け売りなんですが、違いは「エンジンブレードの色」です。
Trent 1000のファンは中空のチタン製で鉄の色、
GEnxはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で真っ黒のファンに、前縁だけ銀色のチタンのカバーがつけられています。
ブレードの前縁にチタンのカバーが付いているのは耐衝撃性を高めるためだそうです。
こういった話も昨夜の飛行機エンジンカフェ フォローアップ放送では説明されてました!!
GEnxのエンジンとメインギアを含めた写真。
ちなみにエンジンとメインギアの間に見えるのは”人の足”です(^_^;)
GEnx 斜め前全体
GEnxのエンジンに斜め前からもう少し寄って見ます。
ブレードの形状や銀色の前縁が良く分かりますよね。
GEnx 斜め前アップ
改めてGEnxを正面からアップで覗き込んで見ます。
このファンブレードの形状に「萌え~」っとなる方が多いのでは。。。
GEnx 正面アップ
このGEnxを搭載したBoeingカラーのBoeing787は私がこの場所に付いて20分ほど後にトーイングされていきました。
空港へ行く判断があと20分遅れていたら見ることが出来なかったと思うとぞっとしました。
即決して来て良かった!!
トーイングしてくれたおかげで、このように真横からグランドレベルの写真も撮ることができました。
GEnx 真横全体
続いてはANAのBoeing787、JA805AのTrent 1000エンジンです。
左翼のエンジンのカバーを全開にして整備作業を行っていました。
これまたラッキー!!!
Trent 1000 斜め前アップ
その整備の様子全体を撮ってみました。
エンジンのカバーの内側ってなにやらいろんなパイプがごにょごにょとあり、まるで人間の血管・毛細血管のようですね。
Trent 1000 斜め前全体
カバーをあけた状態のTrent 1000の正面から見た写真です。
Trent 1000 正面カバー開き
カバー部分とエンジンのファン部分をアップで。
ブレードの形状はGEnxと似ていますが、材質が違うため色が明らかに違います。
これで、このブログの読者は今日からGEnxとTrent 1000の違いを実際に体験として語れますね(笑)
Trent 1000 正面カバー開きアップ
最後はTrent 1000を斜め前から見た写真です。
Trent 1000 斜め前全体
いや~、エンジンって奥が深いんですね。
飛行機が飛ぶためには無くてはならない重要なエンジン。
ちょっと見た目には大きな違いは分かりませんが、内部の仕組みなどは進化し、更にメーカーによっても違うんですよね。
もっと、もっと知りたくなってきました。
(外江先生、よろしくお願いします!)
空港の展望デッキからでは、飛行機を見下ろす形となり、このようにエンジンを捉えることがなかなかできないのですが、昨日は2重のフェンス越しではありましたが、エンジンをグランドレベルから見ることが出来ました。
もう少し早い時間に行けば、横からではなく斜め上からの太陽光に手伝ってもらってもう少しエンジンのファン部分が明るく見えたのかな・・・と午前中に行かなかったことを後悔したりもしています。。。
ちなみに、この写真を撮影した場所は羽田空港の国際線ターミナルから徒歩で10分くらいのところで、環状8号線から第2ターミナルに抜ける道路の歩道です。立ち入り禁止区域ではなく、2重フェンスさえ我慢すればグランドレベルで間近に飛行機を観察できるポイントです。

21 comments

  • Airmanさんおはようございますm(__)m
    こんなにエンジンをじっくり見たことがなかったので、すごく楽しい記事でした!(´▽`*)
    僕は真っ先に鳥よけのグルグルに目が行きましたが(笑)

  • Airmanさんお早う御座います、エンジンのアップ良いですね、私はエンジン大好きでエンジンカフェに行きたかったんですが仕事で行けなく残念でした、私は先週の日曜ですがその場所に出掛けましたKEのB4がいたんですがトンネル側の立ち入り禁止区域で写真撮れませんでした、もう一人撮影されてる方がいたんですが7段の脚立であそこのフェンスをかわして撮影してました私の5段では無理でした。

  • こんにちは。
    質問です。
    RRにはあるのにどうしてGEnxには蚊取り線香の絵が描いてないんでしょうか?少なくてもGE90-115Bには描いてあったと思いますが・・・
    そもそもこれで蚊は寄ってこなくなるんでしょうかねぇ???

  • Airmanさん おはようございます。
    私も昨日ボーイングカラーの787を見ました!
    国内線から国際線に移動中、バスの中から偶然見えて思わず「アーッ!」て叫んじゃいました。(^o^;A
    私が見た時は残念ながら、ANA機がフランクフルトから戻ってきたところでまだスポットにいましたから、ボーイングカラーの1機だけでしたが、実際この目で見ることができて大感激です。
    エンジンの写真、興味深く拝見しました。あらためてじっくり見ると楽しいですね。
    本当にまるで人間のようで。
    カバーを持ち上げているところなど、両腕を持ち上げて、体中診てもらってるかんじで、なんか微笑ましいでです。
    それにしても、エンジンの中ってこんなに細かくて複雑なんですね。
    (これを毎日丁寧にメンテナンスする整備さんて、ホントすごいです。)
    一方、外見は芸術的な美しさがあって。
    やっぱり飛行機っていいなぁって思いました。
    ターミナルのスポットからは少し離れたこの場所にB787がいるのを見かけると「お疲れ様」という気持ちになります。
    遠くフランクフルトから戻ってきて、また夜には大勢の乗客を乗せて飛びたっていく。それまでの、つかの間の休息。
    「やれやれ。今日も疲れたな~。」という呟きが聞こえてきそうです。
    国際線仕様のトリプルに比べるとずいぶんかわいい身体で頑張ってますよね。

  • Airmanさん、おはようございます。
    スゴイ迫力ですねぇ。
    こんな間近でエンジンを見れるとは・・・。
    昨日は、羽田にBoeingカラーのBoeing787が
    来ていたんですね。
    見てみたかったです。(^^;)

  • Airmanさん、こんにちは。
    私も昨日そこに行きましたが、タイミングが遅かったようで、ANA機しかいませんでした。
    エンジン面白いなぁと思いながら見てましたが、ここまで寄っては撮らず、とても参考になりました。(300mmでは寄れなかったかもしれませんが・・・)。
    機体編の記事も楽しみにしています。

  • こんにちは。
    このファンブレード、美しい~!
    いつもはA330のKEがたまにB777で来る時位しか見られない
    GE90のファンブレードにワクワクしてた口ですので、この
    両エンジンの画像はたまらんです。
    いいもの見せていただき、ありがとうございます。
    p.s.
    Airmanさんの写真館で度々拝見しているウィングレット付の
    B6ですが、福岡に就航したデルタのB6がそうでした。

  • こちらではご無沙汰しています。昨夜はメッセージありがとうございました。
    メーカーによってエンジンのデザインコンセプトの違いって色々あって興味
    深いですよね。RR社がFAN BLADEに今流行の炭素繊維材を使わないのは多分
    TRENT ENGINEの先代のRB211開発時に、当時としてはまだまだ実績が無かった
    複合材のFAN BLADE採用に失敗して開発費の増加の一因となり、結果一度会社
    を倒産させてしまったトラウマでもあるのではないかと邪推してしまいます。
    仰られる通り、TRENT ENGINEのFAN BLADEはTitaniumの中空になってます。
    ちょっと専門的な話ですが、コア材を2枚のTitanium材で挟んで接着して熱を
    加えて形を整えて、更にガスを注入して中空にしています(少し難しい言葉を
    使うと「DB-SPF」(Diffusion Bonding-Super Plastically Formed)と言う製法
    です。なんだか解り辛いですね(笑 )。
    すみません、つらつらと取り留めのない蘊蓄を書いてしまいました。

  • 勉強になりました。
    RRのサウンドは素敵です。
    全日空ではトライスター以来のRRエンジンですね。
    48歳ですが久しぶりに追いかけたい機種(787)です。

  • Airmanさん
    こんばんは。
    エンジンもじっくり見るとメーカーで全然違うんですね!
    乗った感じはどうなのか?早くJALの787にも乗ってみたいです。
    私は今日羽田に行ってきました。昨日は787のトーイングの練習とかやったようですけど、今日はとりあえず私がいる間は置物のようになっていました。
    それと、今日は曇りだったので前に話題になったP4にも行って見ました。誰もいなくて寂しかったですが、金網が無いので撮りやすかったです。
    ブログにアップしておきましたので、よかったら見て下さい。
    ではまた。

  • ☆若旦那さん、
    エンジンって、ホント奥が深いです。
    とっても繊細で、それでいてものすごく力強い!
    同じような形をしていても、それぞれに特徴がある。
    もっともっとエンジンのことを知りたくなります。
    鳥よけのぐるぐる。。。これも航空会社ごとにいろいろな
    バリエーションがあって楽しいんですよね!

  • ☆HNDbaseさん、
    エンジンの話はとても内容が濃くて勉強になりました。
    また機会があったら行きたいです!
    この写真を撮影した場所ですが、飛行機をグランドレベルで間近に見ることができるので、気に入ってます。
    羽田に一泊する海外の航空会社がよく泊まったりしてますよね!
    難点は二重のフェンス。。。
    こればっかりはしょうがないですよね。
    脚立でフェンスをクリアするにしてもおっしゃるとおりかなり高い脚立じゃないと無理です。
    それでも行く価値は十分ありますよね!!

  • ☆かっぱ123さん、
    RRにあるというより、ANAで描いているのでしょうね。
    GEnxはBoeingの機体なので描かれていないということだと
    思います。
    GEnxエンジンでもJALに納入されたら、きっと鳥よけの目玉か蚊取り線香模様が描かれるのでしょうね。
    尚、この模様の効果ですが、効果あり・なしの両論があるようです。
    描かれているエンジンが多いので、効果はあるのかも知れませんね。

  • ☆mikinosukeさん、
    このBoeingカラーの787がこの場所にいた時間は数時間だけだったようです。
    私も何とか撮影できましたが、現場到着後20分ほどでJALハンガーの方に連れて行かれましたので、ギリギリセーフだったんです。
    ANAのJA805Aは目の前でエンジンカバーをあけて整備していました。
    非常に珍しい光景で、興奮しました!!
    本当にエンジンカバーの内側はまさしく人間の体内のようでした。
    さまざまなパイプが血管のようにくねくねとしていて、非常に興味深いものがあります。
    このエンジンを考えた人もすごいですが、日々メンテナンスして健康に飛ばしている整備士の方もすごいですよね!!
    この小さくて華奢な飛行機が日本とヨーロッパを結んでいるのもすごいことです。
    応援したくなる気持ち分かります。

  • ☆toriさん、
    フェンスの直ぐ向こう側に787がいました!
    こんなに間近で見られるなんて本当にラッキーでした!!
    セントレアでフライトトレーニングを終えたBoeingカラーの787、
    羽田にやってきて、地上支援の訓練や整備のための実機研修でも行っているのでしょうね。
    3月10日くらいまでは羽田にいるようです。

  • ☆たかしさん、
    エンジンの選択にはいろいろな事情があるようです。
    確かにJAL・ANAで同一エンジンにすれば、利点も多いのでしょうね。
    今回の787については、エンジンを含む様々な情報が先行で導入したエアラインから提供され、各社で共有して最適な運航を試行錯誤しているようです。
    新しい飛行機なので、どう使いこなすかということに関しては試しながら探っているのかも知れませんね。

  • ☆ひーちさん、
    私もギリギリセーフでした。
    あと20分家を出るのが遅かったら、今日の写真は撮れなかったでしょう。
    二重フェンス越しでの撮影、500mmのレンズの性能にかなり依存しました。
    75-300mmも持って行ったのですが、300mmだと微妙なところでしょうね。
    (フェンスの影が映りこんでしまうかも。。)

  • ☆foka9さん、
    ファンブレード、良いですよね!
    GE90から見られるようになった曲線を描くファンブレード。
    材料の進化のおかげですね!!
    ウィングレット付きのデルタのB6、福岡にも就航したのですね!
    今までのB6と印象が違いますよね。

  • ☆etopsさん、
    ご無沙汰しております。
    エンジンの興味深いコメント、本当にありがとうございます!
    RRがチタンのファンにしている理由、過去の失敗のトラウマなのかも知れないんですね。
    そのことがGEnxのエンジンとの性能差を生み出し、RRのTrent 1000採用のエアラインに悪い影響を与えないことを願うばかりです。
    チタンという金属をどのようにして中空にしているのか興味がありましたが、DB-SPFという技術で作っているのですね!
    高速で回転し、特に燃焼室に近い部分のタービンブレードはものすごい高温にさらされるのですよね。
    冷却技術も進化しているのでしょうね。
    別のコメントにもありましたが、人間の体のつくりのように複雑で繊細なエンジンを日々メンテナンスされている整備士の皆様を本当に尊敬します。

  • ☆TriStarさん、
    私も飛行機エンジンカフェやフォローアップ放送で覚えたばかりです。
    まさにドンピシャのタイミングで2つのエンジンを間近で見て比較する機会に恵まれました!
    そういえば、L1011もRRのエンジンでしたね。
    当時は「静かなエンジン」ということでPRしていたような記憶もあります。
    懐かしいです!

  • ☆ボンさん、
    エンジンは外見は似ていても、ファンブレードの形や
    内部の構造にいろいろと違いがあるんですよね。
    その違いを勉強してみると、本当に楽しいです。
    乗った感じは・・・私も実際に体験したいものです。
    P4にいかれたんですね!
    別館の4Fですよね。
    フェンスも低く、RWY34Lにアプローチする飛行機を
    JALハンガー前に止まっているB787越しに撮影できたのではないでしょうか。
    私も天気の良い休日の早朝に行ってみたいと思います!

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