学習院航空部ホームカミングデー

一昨日の冷たい雨が嘘のよう。きれいに晴れた埼玉県北部、利根川河川敷にある妻沼滑空場に行ってきました。

昨日は1週間続いた母校の航空部の合宿のラスト2日の1日目。土日で卒業生を迎えて搭乗会を行うというホームカミングデーの初日でした。

合宿は中央大学航空部との合同合宿、2校で妻沼滑空場の第1滑空場川側のランウェイを行って訓練を行っていました。

反対側、土手川のランウェイでは慶応大学の航空部が訓練中。昨日は3校が訓練を行う中、学習院はホームカミングデーでOBのフライトを行いました。

そんな中、私はフライトを待つ間、フライトオペレーションの手伝いをする合間を縫って、撮影も行いました。今日はその中からいくつかの写真を掲載します。

まずは学習院のアレキサンダー・シュライハー式ASK-13。昨日の私の搭乗機でもあります。

エアボーン直後! 後席のY教官、撮影している私に気づいて手を振ってくれました!!!

昨日はウィンチによる曳航でした。出発地点と反対側の滑走路の端付近にウィンチという”曳航索”を巻き取る機械を設置し、そのウィンチから伸びた約1,000mのワイヤーの端をグライダーのレリーズに付け、ウィンチが曳航索を巻き取ることによりグライダーを引っ張って離陸・上昇させます。

グライダーは旅客機のようにV1~VR~V2・・・みたいな離陸ではなく、どちらかと言えば戦闘機の空母からの発艦のような感じで離陸します。

ウィンチが曳航索を巻き取り、ピーンと張った後、一気に加速。3秒から5秒でエアボーンします。その後は安全高度(約50mくらい)に達するまでゆっくりと機首を持ち上げていき、安全高度通過後は45度から50度くらいの上昇角で上昇します。離陸後に機首をいきなり上げてしまうと、曳航索が切れたり、ウィンチがエンストしたりした時に、着陸する姿勢・速度にするまでの余裕がなくなってしまいます。なので、高度に合わせて上昇姿勢をとっていきます。これが飛行機による曳航との大きな違いの一つで、グライダーの醍醐味でもあります。

ASK-13のウィンチ曳航による上昇。時速90km~100kmで曳航してます。

これだけの角度で上昇していると、パイロットから前方の水平線は見えません。空だけです。

なので、時々は横を見て上昇角をチェックします。高度・速度・上昇角・進路を繰り返し繰り返しチェックしながら曳航索を切り離すまでの1分弱の間、上昇を続けます。

続いては、一緒に川側ランウェイで訓練を行っていた中央大学のアレキサンダー・シュライハー式ASK-13の離陸シーンから。

エアボーンしてイニシャルクライム中。

同じく中央大学のアレキサンダー・シュライハー式ASK-21。

同じアレキサンダー・シュライハー式のグライダーですが、こちらはプラスチック機です。

こちらは日本学生航空連盟所有のASK-21。昨日は慶応大学の合宿で使われていました。

中央大学のASK-21、垂直尾翼の赤いハートが可愛いです。スカイマークの飛行機を思い出します。

このグライダー、反対側の主翼の下面にも大きな赤いハートが描かれているんです。

学習院のASK-13の飛んでいる姿。

エンジンがないグライダー、地上から見ていると”音”は全くしません。

昨日は天気は良かったのですが、上昇気流は見当たらず、みんな上がっては5分程で降りてくるというフライトばかりでした。このASK-13は弱い上昇気流を見つけたのでしょうか。。。。同じ場所で2回~3回ほど旋回してました。

グライダーはエンジンがなく、上昇気流を見つけてはその中で旋回しながら高度を獲得して飛ぶ航空機です。”滑空機”と呼ばれる通り滑空する航空機です。1m高度が下がるのに27m~28mほど前に進みます。(ASK-13の場合)

そのため、翼がとっても長く、ASK-13の場合、翼幅は16mです。全長(機体の長さ)が約8mなので、翼は胴体の倍の長さがあります。

次はカッコいい慶應の単座機です。

シェンプヒルト式ディスカス-b型です。慶應が保有している5機のうちの1機。

翼端にはウィングレットがついています。こちらの最良滑空比はなんと45!! 1m高度が落ちる間に45mも前進するんです!! すごいですね!

本当に青空の中を上昇するグライダーは美しいです。

グライダーの車輪、メインギアは胴体の下に1輪あるのみです。垂直尾翼の下にも尾輪がありますが、尾輪ではなくテールスキッドの機体もあります。

胴体の下に1輪しかないので、地上で止まっているときには水平を維持できず、どちらか片方の翼端を地面につけています。

そして離陸時には片方の翼端を人が支えて水平にして、グライダーが離陸滑走を始め、自力で水平を維持できるようになるまで(と言っても本当に瞬間、数ミリ秒)、人が翼端を持って走ります。

こんな感じ。

地上滑走は主輪のみ、1輪で行います。この間、16mもある長い主翼が地面につかないように、しっかりと水平を維持します。水平儀なんてないし、グライダーはとにかく”目”で操縦します。

遠くを見て、視野を大きく取って、地平線で水平を感じ取ります。

午後になって一時、雲がたくさん出てきました。

上昇気流も?! なかなかそうはいきませんでした。

15時を過ぎて、逆光に。

雲の隙間から光のベールが! きれいだったので撮ってみました。

こちらも慶應のグライダー。

シェンプヒルト式デュオ・ディスカス型!

複座機ですが、すごく高性能。このグライダー、複座機ですが滑空比は45です。上昇中、翼はBoeing787のようにグイっと上反してます。

すごいですねぇ!!

妻沼の川側(RWY14L)にアプローチする学習院のASK-13と土手側(RWY14R)にアプローチする慶應のグライダー。

グライダーはそのままだと上記の通り滑空比が良すぎてなかなか高度が下がらないので、こうして翼の途中に抵抗板(ダイブ)を開いて翼の性能を落とし、高度を下げます。

なら遠くからアプローチすれば?と思いますが、エンジンがないグライダーはゴー・アラウンドができません。また、滑空中に下降気流に遭遇し、高度を落とされることもあります。なので、高度250mほどになったらトラフィックパターン(場周経路)に入り、ピスト(グライダーの管制所)の横を通過します。滑走路の末端から800mほどでファイナルアプローチに入ります。ファイナルターンの高度は対地100mほど。このままだと上記の滑空比だと2700mほど飛んじゃうので、ダイブを開いて800mで接地するようにします。

接地間際、機首を引き起こして沈下を抑えてメインギア1輪でランディングします。

グライダーのフライトの解説も交えて、ちょっと多めの写真を掲載させていただきました。

昨日は条件(ソアリングの条件)が悪く、滞空するグライダーはほとんどいませんでしたが、その分、多くのフライトを行うことができ、良い”練習日”にはなったのではないでしょうか。

私も5分程のフライトで、上がってから滑空してすぐに降りてきてしまいました(^-^;

短い時間でしたが、上空にはきれいな空が広がり、気流の音しかしないコックピットからは埼玉県北部や栃木県の太田市・館林市の風景がドーンと広がり、遠くには赤城山も見え、とっても気持ちの良いフライトになりました。

やっぱり飛ぶと心が洗われますね。

 

最後に、中央大学航空部の皆さん、学習院航空部の皆さん、昨日は貴重な訓練の一部をOBの搭乗に分けていただき、ありがとうございました。

皆様の今後の安全な運航を願ってます。

 

ということで、グライダーの紹介でした。

 

それでは皆様、今日も良い1日を!!

 

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