着陸コックピット・着陸音
成田空港での夏合宿写真が続いておりましたが、本日はちょっとお知らせを。
当ブログのトップメニューにある航空大辞典、以前故武田一男氏といっしょに、飛行機を写真と映像と音と各種資料で紹介してみようということで始めたものです。
Boeing727・Boeing737・Boeing747・DC-9・DC-10・L1011までは公開してきましたが、そこで途絶えてしまいました。
しかし、武田氏からは素材となる”音”を沢山提供いただいており、私の手元で眠っていましたので、上記の各機種のページで公開済のものも含め、当ブログで公開することにしました。
これまでエンジンの始動音、離陸時のエンジン音、離陸時のコックピットの様子を公開してきましたが、昨日・本日で着陸時のコックピットの様子と着陸時のエンジン音を公開しました。
ブログ右側の「航空サウンド」のメニューから該当ページに行くことができます。
昨日公開した着陸コックピットには不足がありましたので、本日、追加しました。
これまでもジェットミュージックや年末のシンフォニーオブジエアーといったスライドショーで音楽とともに背景音として使ってきたものですが、今回は主役音として個々に聞くことができるようにしました。
飛行機の”音”をお楽しみいただければと思います。
今の時期の羽田空港は南風運用となることが多いです。
羽田空港より西の地域からやってくる飛行機はRWY22に着陸します。
城南島海浜公園が絶好の撮影ポイントとなるのですが、遠く、東京湾を横断し、レインボーブリッジの手前でファイナルターン、アプローチしてくる飛行機を見ていると、そのコックピットはどんな様子なんだろうと思わずにはいられません。
着陸コックピットはそれよりもちょっと手前のアウターマーカー通過のあたりから着陸までの様子を録音したものです。
本日掲載のANAのモヒカンジェットのアプローチシーンはアプローチのファイナルで1分ほどの間の出来事になりますが、そのコックピットの様子や飛行機を眺めながら聴くエンジン音を思い浮かべてみていただければと思います。
写真はファイナルターンの開始から始まります。
ファイナルターン中。
既にギアは降ろされています。
パイロットの目の前には遠く、RWY22が見えていることでしょう。
そのアプローチコースにピタリと合わせるように経路を微調整。
アプローチコース上を、空に敷かれたレールを滑り降りるように降下してきます。
「アプローチング ミニマム」(着陸決心高度にアプローチ中)というコーパイロットの声。
「ミニマム!」(着陸決心高度になりました!)
コーパイロットが着陸するか、ゴーアラウンドするかを決心する高度になったことを告げます。およそ200ft(60m強)。
「ランディング!」(着陸する!)
全ての計器が正常で、飛行機に異常は見られず、滑走路もはっきりとインサイト、着陸に支障がないことを確認してキャプテンが着陸を宣言します。
コックピットでは粛々と着陸の手順が進められます。
この頃になって、城南島海浜公園で飛行機のエンジン音がゴォ~!と響き始めます。
波打ちぎわで遊んでいる子供たちも、空を見上げます。
着陸の数秒前。
コックピットの中は一瞬の静寂に包まれます。
もう少ししたら、高度を告げる電子音が聴こえてくるでしょう。
パイロットの緊張が見えるような、飛行機の顔。
見つめる先には滑走路。
このスピード・この飛行機の大きさからみると、狭くて・短い、そんな風に見えるのでしょうか。
城南島海浜公園を通過。
100・・・・50・・・・30・・・・20・・・・10
滑走路面までの高さを読み上げる声が響きます。カウントダウンされる高度。
最後の10ftの声から接地までのホンの1秒にも満たない時間の緊張感。
既に滑走路の端を超え、目の前には接地ポイントを示す”=”を縦にしたような滑走路マーキングが見えていることでしょう。
パイロットは降下率を減殺するように機首をやや持ち上げて迎え角を増やし、滑らかかつしっかりとメインギアに機体の重量が遷移するように操縦桿を操作。
接地ポイントに向けて機体を沈めていきます。
こんな飛行機のアプローチ・ランディングのシーンを、コックピットの様子を思い浮かべながら見るのも良いのではないでしょうか。
また、着陸時でエンジン出力はほぼアイドルまで絞られているとはいえ迫力のあるエンジン音を思い浮かべながら撮ってきた写真を見るというのもなかなか良いものです。
本日は成田空港夏合宿写真を中断して、航空サウンド掲載のお知らせと、着陸コックピット・着陸音にちなんだ写真を掲載させていただきました。
明日からはまた名古屋から成田の写真を掲載していきます。
昨日に続き、本日も猛暑の予報。
熱中症に気を付けてよい1日をお過ごしください。