学習院13複座準備よし!

この間の日曜日、11月12日に学習院大学航空部のOB搭乗会に行ってきました。

もちろん私は乗るだけでなく、撮るほうもしっかりやってきました!

今日は学習院大学航空部の複座練習機のアレキサンダー・シュライハー式ASK-13の写真を掲載します。

まずは滑走路脇でフライトを待っているASK-13。

風上側の翼を地面につけて駐機してます。風が強い日だったので学生さんが翼端についてます。

「しゅっぱ~つ!」

ウィンチ曳航で約1000mのワイヤーに曳かれて離陸滑走。

滑走開始時にはグライダーは胴体センターにしか車輪が無いので傾いてしまうため、人が主翼を持ち上げて水平を維持します。そして地上滑走も、ある程度加速してエルロンで傾きをコントロールできるまでは人が翼端を持って走ります。

エアボーンしました。

静止状態からエアボーンまでわずか数秒、その数秒の間に約時速100km/hまで加速し、エアボーンするんです。空母からの発艦ほどではないと思いますが、かなりの急加速で首がのけぞります。

イニシャルクライム。

対地高度30mの安全高度まで急に機首を上げないように、徐々に上昇に合わせて機首を上げていきます。万が一ワイヤーが切れたときにも機首を下げて速度を失わずに安全に着陸できるように。

飛行機の写真と同じで、地上の森や山が映っていて、真っ青な空を上昇するグライダーという構図がやっぱり好きです。

カッコいいです!!

特にこのASK-13、前進翼で鳥が羽ばたいているようです。

 

対地高度30mを超えたあたりから機首を上げていき対地高度120mを超えたあたりで上昇姿勢を取ります。結構な急上昇で前は空しか見えません。

両脇を見て上昇角をチェックしながらぐんぐんと高度を上げていきます。

この日は北からの風が強く、気温も低く、機体はぐんぐんと上昇していきます。

そろそろ上昇の限界か。。。

ウィンチのパワーカットに合わせてグライダー側も機首を下げて曳航索を離脱します。

「りだーつ!」と声に出して、曳航索をつないでいたレリーズのレバーを3回引きます。

曳航索のグライダー側にはパラシュートが付けられていて、曳航中は伸びてますが、離脱するとこのようにパラシュートが開き、巻き取られていない残りの曳航索がゆっくりと地上に落下していくようになってます。

ソアリング中のASK-13。

この日は北風が強かったものの、上空は比較的安定していて、ところどころに上昇気流もあり、滞空するフライトが多かったですね。私も30分弱の滞空時間でした。

そしてファイナルアプローチ。エンジンがないのでワン・チャンスです。

再び出発待ちのグライダー。

飛んでいる機体がいないので、滑走路上にラインナップして曳航索がウィンチ側から伸ばされてくるのを待ってます。

曳航索が到着し、いよいよ出発。

キャノピーを閉めて、曳航索を装着します。

エアボーン直前のASK-13。

旅客機のように「ローテーション!」とかはなく、2輪滑走していると自然にエアボーンします。

ASK-13は鋼管に羽布張りのグライダーで軽いグライダーですが、結構翼がしなってますね!

美しい。。。。

ASK-13の向こう側、みんなで押しているグライダーはFRP製のASK-21です。

土手(左手)からの風が強かったので、左に傾けて土手のほうに進路を取ります。

曳航索を離脱した後、パラシュートを開いて落下する曳航索が風に流されても滑走路内に着地するように、曳航索が風に流されることを見越して風上側に上昇するんです。

今年に入って何度かグライダーに乗りましたが、こんなにすっきりと晴れた日はこの日が初めてでした。やっぱりグライダーには青空が似合います。

離脱前、高度は450mから500mくらいでしょうか。そろそろウィンチ側ではパワーカットします。

グライダーは乗っても良し、撮ってもよし。

滑走路脇の土手の上から撮れば、エアボーンしてからイニシャルクライムまではグライダーを見下ろす形で撮影できます。

翼が長く、空気抵抗を最小限にすべく機体の形状が考えられたグライダー、とにかく美しいですね。

鋼管羽布張りのグライダーはちょっとごつごつしている部分もありますが、FRP製のグライダーはつるんとしていてスマートでかなりカッコいいです。ASK-21はさらにT字尾翼でかっこよさも際立ってます。

FRP製のグライダーはほとんどがT字尾翼なんですよね。。。

 

今日のASK-13というグライダー、実は32年前に私が現役の学生の頃に練習機として使っていた機種なんです。当時はまだFRP製のグライダーのほうが少なくて、ASK-13は結構活躍していた機種でした。

初単独飛行を行ったのもこのASK-13でした。

当時はJA2268とかJA2294というASK-13で飛んでいましたが、JA2268はすでにこの世に存在しなく、JA2294は日本モーターグライダークラブの格納庫に眠っているようですね。

そして卒業してから30年後、再びこのASK-13で飛べる日が来るなんて・・・うれしい限りです。

このJA2152も最近、学習院大学航空部で購入した機体です。

ちなみに、2018年の日本滑空協会のカレンダー「WE LOVE SOARING」の6月はこのJA2152です!

撮影は瀬尾さんです。

 

さて、今日は健康診断。

昨日は年に1度の休肝日でした。

毎年、健康診断ではあちこちに「要経過観察」のチェックが付きますが、今年はどれくらいチェックされるか。。。もう、「全く問題なし」というわけにはいかないんでしょうか?!

そんなことはないですよね。きっとお酒もやめて適度に運動して、バランスの良い食事をしていればさらに健康になるんでしょうけれども、それがなかなかできないんですよね。

でも今年は”運動”はするようにしました。その効果くらいは結果に現れてほしいものです。

 

それでは皆様、今日も良い1日を!!

 

グライダー、飛行機曳航フライト

久しぶりの更新は”グライダー”の写真です。

11月1日、水曜日ということで平日でしたが、有給休暇を取得して妻沼滑空場に行ってきました。

大学の航空部のOGが事業用操縦士の実地試験を受けることになり、そのサポートです。

実地試験は複座機のASK21で行われ、飛行機曳航での離陸になります。

その曳航機がお昼過ぎに妻沼滑空場にやってきました。

クリステンのA-1 HUSKY、通称「ハスキー」です。

ぐーっとバンクを付けてファイナルターン。

この日は朝のうちは北風運用でしたが、10時を過ぎたあたりから南風運用に変更。

ハスキーはRWY14 D(デルタ)にランディングですが、準備のためにいったん南端をめがけてファイナルアプローチです。

そして14時頃、いよいよ試験飛行のテイクオフです。

ハスキーのテール部分から伸びた曳航索がグライダーに装着され、ハスキーがパワーを上げて曳航索を張っていきます。

曳航索がピーンと張り、いよいよ離陸滑走開始。

ピストの「えんむ21出発!」のコールとともに、ハスキーがエンジンのパワーを上げ、離陸滑走を始めました。

最初は翼端をグランドクルーが保持していたグライダーもすぐに加速し、エルロンが効き始めると1輪のメインギアのみで自立し、離陸滑走を開始しました。

機体はドイツのアレキサンダー・シュライハーのASK21です。

軽いグライダーが先にエアボーン。

地上数メートルで水平飛行し、曳航機のエアボーンを待ちます。

曳航機のエアボーンを待って水平飛行中。グライダーは主翼が非常に長いので、ちょっと傾けるとすぐに翼端が接地してしまいます。水平をしっかりと維持し、高度を維持しながらの超低空での水平飛行です。

曳航機がエアボーン、曳航機の上昇に合わせてグライダーも上昇していきます。グライダーから見て曳航機の主翼が地平線に重なるぐらいの位置でついていきます。

遠くに見える黄色いトラックのようなものは、土手側の滑走路で訓練中のW大学のウィンチです。

その脇を曳航されていく、ASK21。

しっかりと曳航機のやや上方の位置をキープしながら曳航されていきます。

後ろから望遠で見ると、飛行機とグライダーの間隔がとっても短く見えますが30m以上はあります。

でもグライダーから見ても曳航機は結構近くに見えます・・・。

曳航中の2機を地上から見たところ。このくらいの間隔はあいてます。

そして曳航索の切り離し。

曳航機は左に旋回、グライダーは右に旋回してブレークします。

曳航機が先にランディング。

試験課目をいくつかこなした後、高度も低くなり、いよいよトラフィックパターンに入ってきます。

レフトダウンウィンドに入ってきたASK21。

500mm×1.3クロップだとここまで見えます。ちゃんと前席のパイロットの頭が見えますね。

垂直尾翼に書かれた「えんむ」の文字の識別はちょっと辛いか?!

ベースターン。浅いバンクできれいにベースレグに入ってきます。

そしてファイナルターン。ちょっと手前でこれまたとっても浅いバンクでファイナルアプローチに向けた旋回を開始。こうして浅いバンクでファイナルターンを開始し、滑走路へのアプローチラインにはバンクを調整しながら合わせていくんですね。

途中からは、オーバーシュートしないようにややバンクを深くしてアプローチラインにアラインしてきました。

そしてピタリとファイナルアプローチに乗せてきました。やや東寄りの風ということもあり、左側に機首を振っている!?

ピスト脇の撮影位置からも見るとグライダーは正面を見せてこちらに向けてアプローチしているように見えます。

所定の降下角(パス角)で降下できるところまでアプローチし、ダイブを開いてアプローチのスロープに乗せてきます。

グライダーにはエンジンがついていないので、降下角が大きくなりグライドスロープの下になったからと言ってパワーで戻すことができません。

速度を一定(ピッチを一定)にして、このダイブでパス角を調整します。

安定したアプローチです! さすが!

スレッショルドを超え、そこから100mほどの位置にある接地点に向けて降下を続けます。

引き起こしのタイミングなど、非常に緊張する数秒間です。

ナイスランディング!!

こうして無事に試験飛行は終了し、彼女は事業用操縦士の実地試験に合格しました!!

おめでとう!!!

試験合格のフライトをこうして撮影できて光栄でした。

本当は出発準備の様子や、機首部分ドアップの写真も撮影したのですが、「顔出し禁止!」ということで、顔が識別できない写真のみ掲載しました。

事業用操縦士となった彼女、この後来春くらいには教育証明も取得を目指すそうです。我が校航空部で30年ぶりとなる教官誕生になるかも!!

 

最近、頻繁に妻沼滑空場に通ってます。

これまでこんな頻度で羽田や成田にすら行ったことはありません。

10月28日・29日は1泊2日で航空部の機材の1年に1回の耐空検査に向けた整備に行きました。

そして11月1日には今日の写真の後輩の事業用操縦士実地試験のサポートに出かけました。

そして今度の日曜日、11月5日には先日整備した機体の耐空検査があります。

さらに11月12日にはOB搭乗会があり、訓練フライトです。

訓練を重ね、早く単独飛行できるようになり、先日整備したKa-8bという単座機に乗れるようになりたいものです。

 

妻沼滑空場は熊谷から北、利根川の河川敷にあります。川の向こうは群馬県です。

横浜からはとても遠く、順調に行っても2時間15分ほど、途中の首都高速や東北道が混んでいると3時間以上かかります。

なので、28日も、1日も今度の5日も朝の5時ちょっとすぎには家を出発します。

特に今後の5日はトランプ大統領の来日ということもあり、首都高速の規制が心配です。さらに三連休のUターンラッシュがあるかも。。。

 

今年の5月に、OB仲間からグライダーの整備支援を依頼されて、妻沼滑空場に久しぶりに行ってから、急速にグライダー活動にのめり込んできました。

そして実際にグライダーに触れてしまうと、昔を思い出し、とにかく楽しくなってしまいました。

28日・29日・1日も自分は飛んでいませんが、グライダーに触れ、整備し、機体を組み立て、飛ばすということが楽しいんですよね。

特に1日は複座機を2機も組み立て、分解・格納するというハードな日になりました。

でも、楽しかった。

5日の日も、3機のグライダーを組み立て、その内、2機の耐空検査が実施されます。

 

学生として飛んでいたのはもう30年前。5月以降、2度ほど飛びましたが、自転車の運転と同じで”体が覚えている”というわけには行きませんね。いわゆる”感覚”を取り戻すのにまだ少し時間がかかりそうです。

 

それでは皆様、良い1日を! そして良い週末を!!

 

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